「東京タワー」に続いて
ドラマの話。
「
ハケンの品格」とう
ドラマが面白い。
篠原涼子演じるスーパー派遣社員が大活躍する話なんだが、現実にはないよなあ、と思いつつも面白く見てしまう。
僕は15年くらいシステムエンジニアをやっているが、会社員だったのは6年位で、それ以外はフリーで個人として仕事をしてきた。
今は法人化してるけど、システムエンジニアとしてやってる仕事は個人の時と何ら変わりがない。
派遣会社に登録した事はなく、僕がやってきた仕事は派遣ではなく請負だ。
請負の場合、派遣と違って、例えお客様の会社に常駐させてもらって開発するとしても、スケジュール管理は自分で行わなければならないので、一日に何時間働くかも自分の裁量で決めないといけない。
ドラマの中で主人公は9時〜18時までしか働かないが、僕の場合その日やるべき事が終わったら仕事は終わりだ。
(チームで開発する事が多いので、自分のスケジュールが終わったからって簡単には終われない部分はあるけれど。)
何時間働こうと、あるいは1時間しか働かなくても、ちゃんとしたモノを作りさえすればもらえるお金は同じ。
もちろん、開発中に当初の見積とシステムの規模が変わってきたら再見積させていただくけど、基本的にはかかった時間ともらえるお金は比例しない。
そういう派遣と請負の違いはあるけれど、この「
ハケンの品格」という
ドラマには共感できる部分も多いなあ。
会社に縛られずに個人として生きていこうとする姿勢には本当に共感できる。
安定という幻想に縛られて会社にしがみつくのは、実際馬鹿げた事だと思う(もちろん、正社員の方がみんな安定という幻想に縛られて会社にしがみついている訳ではない事はよくわかっている)。
正社員の方たちが、部署間の利害関係の調整や、出世のためのゴマすり、仕事の成果を誰の手柄にするか、などという全く生産的でない事柄に心を奪われている時、派遣や請負などの外部の人の方がお客様の事を考え、仕事の本質が見えている場合も多いし。
今何気なく「お客様」と書いたが、誰を「お客様」と認識するかによって仕事の質も変わってくると思う。
僕の場合、システム開発を依頼してくれた会社が直接の「お客様」なのだが、実際にシステムを使う人は依頼主とは違う場合が多い。
そんな場合、依頼主をお客様と考えて、とにかく依頼主を満足させるようなシステムを作るのか、それとも依頼主の向こう側にいるはずのエンドユーザーの方をお客様と考えて、エンドユーザーの利益・満足のためにシステムを作るのかによって、出来上がるシステムは全く違うものになるだろう。
エンドユーザーと僕の間にはいくつもの大企業があって、そしてその大企業間の利害関係が対立してたりする事もあって、誰のためにシステムを作ればいいのか見えなくなる事も多い。
僕の場合は、エンドユーザーに一番近い会社の経営層をお客様と考えるように心がけてはいるのだけど、中々そうはいかない場合も多いし、それが正しいのだという確信もない。
もしかしたら、エンドユーザーの更に先にいるはずの、エンドユーザーの会社の製品を購入するお客様の事を考えてシステムを作るべきなのかも知れないし、あるいは全く逆に、直接の依頼主の言う通りに仕事をこなすのが正しいのかも知れない。
「
ハケンの品格」の主人公は、一体誰をお客様だと考え、誰の利益のために働いているんだろうな?
その答えが
ドラマの中で示される事はないだろうけど、それでもやっぱり面白いので見てしまうだろう。
世の中の派遣社員の方々が、この
ドラマの主人公の正社員への接し方を真似しない事を祈っているよ。
あれは現実にはあり得ない程の能力があるから許される事なのだから。
偉そうな事を書いたかも知れないが、僕自身、決して一流のシステムエンジニアではない。
知らない事だらけだし、世の中に掃いて捨てる程いる偽者の自称SEの一人なのかも知れない。
そんな僕だからこそ、「
ハケンの品格」の主人公のスーパーっぷりに憧れて毎週見てしまうのかも知れないな。